カードローンを利用していてなかなか借金が減らない…。と感じたことはないでしょうか。その原因はローンに設定されている「返済方式」が原因で借金の元金がなかなか減っていない可能性があります。
そもそもカードローンを利用していて返済方式のことを知らずに借入している人もいるのではないでしょうか。返済方式によって最終的な返済額も大きく変わるため、ローンで借入をする上でとても重要です。
返済方式の特徴を覚えておけば借り換え後に活かすことができるため、この機会に返済方式のことも学んでいきましょう。
カードローンにはそれぞれ返済方式が設定されており、返済負担のことを考えるならとても重要な要素の一つです。カードローンで使われていることが多い返済方式は以下の2つあります。
他にも「元利定率方式」や「元金定率方式」という返済方式もありますが、カードローンではあまり採用されていません。しかしこの2つの返済方式はその返済方法から返済が長引きやすく、返済負担も大きいためこの方式のカードローンを使っている場合は注意してください。
カードローンで採用されていることも多い「元利定額方式」は元金が減りにくい返済方式となっています。日頃からカードローンを利用していてあまり借金が減らない…。と感じている場合はこの返済方式が原因の可能性が高いです。
この方式は毎月の返済額が一定になりますが、元金に当てられるのは利息を引いた金額です。例えば10万円を借りて金利は18%、毎月の返済額は1万円とします。利息は「借入額×金利×借入日数÷365日」で計算でき、この場合「10万円×18%×30日÷365」と計算され利息は1479円です。
この利息1479円は毎月返済額の1万円に含まれているため、実際の借金返済に充てられるのは「1万-1479円」となります。つまり8521円が実際に返済された金額です。
このように元利定額方式は毎月の返済額が一定でも利息を引いた金額のみ元金に当てられるため、返済が長引いてしまう返済方式となっています。
カードローンの「元金定額方式」は元金に当てる返済金額は毎月一定で固定ですが、そこに利息を足した金額が毎月の返済金額となります。例によって10万円を18%で借り返済額は1万円、利息は先ほど計算した通り1479円です。
借入残高が10万円時、その月の返済金額は11479円となります。利息が返済金額に上乗せされる分、毎月の返済金額は高額になりますが確実に1万円を元金に当てることができる返済方式です。
元金定額方式は元金を確実に減らしていけるため、返済期間の短縮もでき最終的な返済金額を抑えられる返済方式となっています。
カードローンを借り換えして、効率よく現金を減らしたい場合は「元金定額方式」がオススメです。
借り換え前の返済方式が元利定額方式であればより早く元金を減らすことができ、元金を効率よく減らすことができます。
三井住友カードのゴールドローンは「元金定額方式」が採用されているローンです。このローンはカードが発行されない「カードレス」とカードが発行される2つのローンが存在します。この2つのローンは借り換えやおまとめ専用ローンではありません。
しかし資金用途は自由になっているので、借り換えやおまとめ目的で使用することもできます。カードレスの方が金利は低くなっているため、利息を抑えるならカードレスを選択しましょう。利用枠は最大で700万円までとなっているため、ある程度高額の借り換えにも対応可能です。
金利はカードレスが3.5%~14.4%、カード発行なら3.5%~15.0%となっています。銀行や消費者金融のキャッシング、カードローンと比べても低金利となっているローンです。
特徴としては金利の引き下げサービスを行っている点にあります。1年間返済の遅延がなければ金利が0.3%引き下げサービスがあるため、遅延することなく返済していけばさらに利息がお得です。5年間適用され、最大で1.2%金利引き下げになるため、有効活用できればとても魅力的なサービスとなります。
三井住友カード・ゴールドローンは低金利となっており、非常に好条件のローンです。返済方式も「元金定額方式」と借り換えで利息負担を抑えたい人に向いていますが、審査には注意しないといけません。
まず低金利となっているため審査は厳しくなっている可能性が高いです。また審査にも時間がかかるとされており、融資をするまでに4週間ほどかかってしまいます。すぐにでも借り換えしたいという人には向いていないため注意してください。
申込時には必ず収入証明書も必要となるため、用意する必要があります。この点に目をつぶれば利息負担を減らせる可能性が高いため、借り換えで利息負担を抑えたい人にオススメです。
三井住友カード・ゴールドローンは信販会社で扱っているローンのため、総量規制の対象となります。総量規制となるローンでは、自分自身の年収の3分の1を超える借入ができません。
年収が600万円なら200万円を超える借入はできなくなります。また他社借入がある時は他社借入からの合計金額が200万円を超えることはできません。
つまり三井住友カード・ゴールドローン以外のローンで既に200万円に近い借入がある場合はこのローンで借入することはできなくなってしまいます。
総量規制の対象となる三井住友カード・ゴールドローンはあまり借り換えには向いていません。理由は借入できる金額に制限がかかるため、すでに借入している金額によっては全額の借り換えが不可能だからです。
例えば年収600万円の人が三井住友カード・ゴールドローンで借り換え前に、他社の総量規制の対象となるカードローンから150万円の借入があるとします。総量規制の関係で残しの借入できる金額は50万円に届きません。
この状態で借り換えをしても120万円をすべて借り換えできないことになります。この条件で全額借り換えするのであれば、最低でも年収が750万円必要です。
ただし総量規制のギリギリまで借入する場合、審査も厳しくなるため全額借り換えができる状況にあっても審査に落ちてしまう可能性もあります。
元利定額方式は元金がなかなか減らないため、借金が長引いてしまいますが毎月の返済額は無理のない範囲のことが多いです。
そのため利息を気にせず単純に毎月の返済負担を減らしたいという時に「元利定額方式」は向いています。
またこの返済方式は毎月の返済額が一定という点もメリットです。返済額が一定に固定されるため、毎月返済額が利息で左右せず返済金額を確認しやすくなります。
返済をする時の計算も簡単になりますし、管理をする時も楽なので管理の負担を減らしたい時にもオススメです。
楽天銀行の「スーパーローン」は元利定額方式が採用されています。借り換えやおまとめに利用することもできるため、利息は二の次で毎月の返済額の負担を減らしたいという人にオススメです。
利息は二の次といいましたが、楽天銀行のスーパーローンはネット銀行ならではの低金利となっているため、金利の高いカードローンから借り換えする場合は利息を抑えられる可能性があります。
金利は1.9%から14.5%となっており、消費者金融に比べると3%前後低いです。先ほどの三井住友カードのゴールドローンカードレスと同じくらいの利息となっているため、利息も抑えられます。
元利定額方式は毎月の返済額は利息が含まれて一定の金額を返していく返済方式です。対して元金定額方式は毎月一定の額プラス利息を返していく返済方式で、元利定額方式よりも利息負担が少なくなります。
とはいえ比較してみないと実際にどれくらい利息に違いが出るのかわからない人もいるでしょう。ここでは元利定額方式と元金定額方式で発生する利息を比較していきます。
例によって利息を計算する時の借入状況は、10万円の借入、金利は18%、返済金額は1万円です。この条件で元利定額方式が採用されているローンで借り換えをした場合、以下のような利息となります。
元金 | 利息 | 元金に当てられる額 |
---|---|---|
100000円 | 1479円 | 8521円 | 91479円 | 1353円 | 8647円 |
82832円 | 1225円 | 8775円 |
74057円 | 1095円 | 8905円 |
65152円 | 963円 | 9037円 |
56115円 | 830円 | 9170円 |
46945円 | 694円 | 9306円 |
37639円 | 556円 | 9444円 |
28195円 | 417円 | 9583円 |
18612円 | 275円 | 9725円 |
8887円 | 131円 | 8887円 |
返済回数は合計で11回になり利息の合計は9018円となり、最終的な返済合計は109018円です。
次に元金定額方式で利息の計算をしていきます。条件は先ほどと同じで借入額は10万円、金利は18.0%、返済額は1万円です。
元金 | 利息 | 元金に当てられる額 |
---|---|---|
100000円 | 1479円 | 10000円 |
90000円 | 1331円 | 10000円 |
80000円 | 1183円 | 10000円 |
70000円 | 1035円 | 10000円 |
60000円 | 887円 | 10000円 |
50000円 | 739円 | 10000円 |
40000円 | 591円 | 10000円 |
30000円 | 443円 | 10000円 |
20000円 | 295円 | 10000円 |
10000円 | 147円 | 10000円 |
返済の回数は合計10回になり、元利定額方式よりも1回返済回数が少なくなります。利息の合計は8130円となり元利定額方式に比べると888円安くなり、元金定額方式の方が利息を抑えられることがわかるでしょう。
カードローンの借り換え後に借入残高や金利、返済金額が同じでも返済方式が異なるだけでも最終的な利息が変わります。
元利定額方式で借入している人は元金定額方式のローンに借り換えるだけで利息を抑えることが可能です。
カードローンや借り換え専用ローンでは約定返済で毎月1回決められた日に返済していくことが多いです。ローンでは約定返済の他に「随時返済」が採用されていることも多く、この返済方法を利用することで利息の負担を抑えることもできます。
随時返済はローンによって呼び方が異なり、随時返済と呼ばれることも有れば「繰り上げ返済」や「追加返済」などと呼ばれることもあります。
約定返済では元金定額方式と元利定額方式では利息が含まれていました。しかし随時返済で支払いをする場合はそこに利息は含まれません。つまり随時返済をした全額が元金に充てられるため確実に元金を減らしていくことができます。
この随時返済をうまく使うことで返済時に発生する利息を抑えることができます。例えば元利定額方式は元金に充てられる金額は少ないですが、余裕を持って返済していける返済方式です。
そこで随時返済を利用して、余裕がある時に返済をしていけば元利定額方式のローンでも利息を抑えることができます。当然ですが、元金定額方式と組み合わせてさらに利息を抑えることも可能です。
組み合わせればとても効果的なので、借り換えで利息負担を抑えたい時に随時返済を利用してみてください。
随時返済は返済する金額も自分で選択することができるため、一度に高額の支払いも可能です。自分の収入面でお金に余裕があれば一度に高額の支払いをしても特に問題は在りませんが、自分の収入に見合わない金額で随時返済をしてしまうと、返済遅延の原因となります。
利息を減らすために随時返済するのは良いですが、随時返済をするなら自分の無理のない金額で行うようにしましょう。返済の遅延をしてしまうと一括返済やカードを止められてしまうこともあるため随時返済による返済遅延にならないようにしてください。
ローンにはそれぞれ返済方式が決められており、返済方式一つで返済における負担が変わります。カードローンの借り換えをするのであれば、返済方式にこだわれば自分に合う借り換え先を見つけることも可能です。
まずカードローンによく採用されている返済方式は「元金定額方式」と「元利定額方式」の2つです。この2つにはそれぞれ特徴があり、借り換えの目的に応じて使い分けることができます。
元金定額方式は毎月の元金に充てられる返済額は固定され、そこに利息分が上乗せされます。つまり返済額が2万円だとして発生する利息が千円なら、その月の返済額は2万2千円です。毎月の返済額は固定ですが、発生する利息は毎月異なるため、毎月の返済金額は2万円プラス利息で毎月金額に差が表れます。
この返済方式の特徴は返済額がすべて元金に充てられるため確実に元金を減らせるため、返済期間が短い点にあります。返済期間が短いと利息も抑えられる効果もあるため、借り換えで利息を抑えたいという人にオススメの返済方式です。
元利定額方式は毎月返済額が一定になる返済方式となっています。例えば毎月の返済額が5000円ならずっとそのまま5000円で返済していくことになり、返済額が変わらないため管理が非常に楽です。
この返済額の中に利息が含まれているため、実際に元金の返済に充てたれる金額は毎月の返済額-利息分となるため、元金を減らす速度が遅くなってしまいます。そのため完済までの期間も伸びてしまい、発生する利息も増えてしまうため借り換え時にはこの点に注意しなくてはいけません。
ただし最終的な金額は大きくなってしまいますが、月ごとに見れば負担を減らせるため、利息を気にせず地味に返済していきたいという時にオススメです。
ローンには約定返済の他にも随時返済も用意されており、自分の自由に追加で返済していくこともできます。随時返済を利用すれば借金が減る速度も上がるため、うまく利用すれば利息を抑えることも可能です。
ただし無理をしては生活に困ってしまう可能性もあるため、お金に余裕があり無理のない範囲の金額で随時返済することをオススメします。
借り換えで利息負担を軽減したいのであれば「元金定額方式」、返済金額の負担を軽減したいのであれば「元利定額方式」がオススメです。
自分の状況に合う返済方式を採用しているローンで借り換えをすれば効果的に返済していくことができます。
借り換えをする前の計画は金融会社でそれぞれ用意しているシミュレーションで返済プランを立てることができるため、借り換え前に利用してみてください。