カードローンの返済時に生じる利息を自分自身で把握しているでしょうか。もし把握できていない場合は自分で見直してみることをオススメします。
カードローンの返済時に生じる利息は、「借り換え」をすることで減らすことができることもあります。利息が高いと感じた場合はカードローンの借り換えをしてみましょう。
ここではカードローンの借り換え前後に発生する利息の比較の事を紹介していきます。
そもそもカードローンの「利息」とは何か知っているでしょうか。利息というのはカードローンでお金を借り、返済時に発生する対価の事を指します。
発生する利息はカードローンに設定されている「金利」をもとに算出されるため、金利をまず確認してみましょう。例えばカードローンの金利が10%で、10万円を借りた場合、「10万円(借りた額)×10%(金利)」で計算され、返済時には1万円が利息として発生します。
先ほどの例では単純に利息を算出できましたが、実際のカードローンの返済時発生する利息は日割りで計算することが多いです。式としては「借入残高×金利×利用日数」となります。
ただしカードローンは返済回数が複数になることもありますし、返済方式によっても利息は変わるため、借り換えをする場合は返済回数や返済方式にも注意する必要があります。
カードローンでは返済方式にリボ払いを採用していることが多いです。リボ払いにもいくつか種類があり、主にカードローンに採用されている方式は以下の2種類があります。
元金定額方式は毎月決められた金額+利息を返済していく返済方式です。例えば10万円借りて毎月1万円返済していく場合、毎月の返済金額は1万円+利息となるため返済ごとに返済額が変動していきます。
元利定額方式は毎月決められた返済金額の中に利息が含まれています。例によって10万円借りて毎月1万円ずつ返済していくなら、毎月1万円ずつ返済していくため管理が楽です。
この2つの返済方式にリボルビング払いを合わせて「残高スライド元利定額リボルビング方式」や「残高スライド元金定額リボルビング払い」などといった返済方式となっています。
残高スライドというのは借入残高によって最低返済金額が変動する返済方式です。例えば借入残高が10万円未満の場合は毎月の最低返済金額は3000円、10万円以上20万円未満であれば4000円となります。
返済をして借入残高が10万円以下となれば返済金額は3000円となるため、借入残高とそれに伴う最低返済金額を把握しておく必要があります。
カードローンの利息は「元利定額方式」と「元金定額方式」で発生する利息の金額は異なります。借り換えをするのであれば、返済方式でどのくらい差が出るのか計算してから借り換えをしなくてはいけません。
例によってカードローンから10万円借りて、10%の金利で毎月1万円ずつ返済していくとします。返済方式な元金定額方式です。
借入残高 | 利息 | 返済額 |
---|---|---|
10万円 | 821円 | 10821円 |
9万円 | 739円 | 10739円 |
8万円 | 657円 | 10657円 |
7万円 | 575円 | 10575円 |
6万円 | 493円 | 10493円 |
5万円 | 410円 | 10410円 |
4万円 | 328円 | 10328円 |
3万円 | 246円 | 10246円 |
2万円 | 164円 | 10164円 |
1万円 | 82円 | 10082円 |
利息の合計は4515円となるため、最終的な返済金額は10万円と4515円となります。次に元利定額返済方式の場合は以下のようになり、元金定額方式とは返済回数が増えることがわかるでしょう。
借入残高 | 利息 | 返済額 |
---|---|---|
10万円 | 821円 | 10000円 |
90821円 | 748円 | 10000円 |
81569円 | 670円 | 10000円 |
72239円 | 593円 | 10000円 |
62832円 | 516円 | 10000円 |
53348円 | 438円 | 10000円 |
43786円 | 359円 | 10000円 |
34145円 | 280円 | 10000円 |
24425円 | 200円 | 10000円 |
14625円 | 120円 | 10000円 |
4745円 | 39円 | 4784円 |
金利10%のカードローンで10万円を借りて毎月1万円ずつ返済していくという条件は同じですが、元金定額方式では返済回数は10回で利息は4515円、元利定額方式では返済回数が11回で利息は合計4784円となります。
同じ条件であれば元利定額方式の方が返済回数も増え、利息も増えてしまいます。借り換え後には返済方式にも注目し、返済方式が変わることで発生する利息の計算をしてから借り換えをする必要があります。
カードローンの借り換えをすれば、借り換え前よりも金利が下がることもあります。当然ですが金利が下がれば利息も減るため、少しでも返済を楽にしたいという人は今のカードローンよりも低金利の借入先を利用するようにしましょう。
では元利定額方式と元金定額方式で金利が下がった時はどれくらいの利息になるのか?例によって10万円を借りて毎月1万円ずつ返済、今回は金利を8%として計算して比較してみます。
金利が2%下がっただけでも利息は変わってきます。例によって10万円を借り毎月1万円ずつ返済、金利10%時の総利息は元金定額方式では4515円、元利定額方式では4784円です。まず元金定額方式で8%の金利で計算してみます。
借入残高 | 利息 | 返済額 |
---|---|---|
10万円 | 657円 | 10657円 |
9万円 | 591円 | 10591円 |
8万円 | 526円 | 10526円 |
7万円 | 460円 | 10460円 |
6万円 | 394円 | 10394円 |
5万円 | 328円 | 10328円 |
4万円 | 263円 | 10263円 |
3万円 | 197円 | 10197円 |
2万円 | 131円 | 10131円 |
1万円 | 65円 | 10065円 |
利息の合計としては3612円となります。金利10%の時に比べると約900円安くなっているのが分かるのではないでしょうか。次に元利返済方式では以下のようになります。
借入残高 | 利息 | 返済額 |
---|---|---|
10万円 | 657円 | 10000円 |
90657円 | 596円 | 10000円 |
81253円 | 534円 | 10000円 |
71787円 | 472円 | 10000円 |
62259円 | 409円 | 10000円 |
52668円 | 346円 | 10000円 |
43014円 | 282円 | 10000円 |
33296円 | 218円 | 10000円 |
23514円 | 154円 | 10000円 |
13668円 | 89円 | 10000円 |
3757円 | 24円 | 3781円 |
元利返済方式では返済回数に変化はなく、利息の総合計は3781円です。金利10%に比べると約1000円利息を抑えることができます。どちらの返済方式の場合でも金利以外に変更がなければ、利息を抑えることができるため、金利のみ下がる時の借り換えはとても有効です。
返済金額や借入額に変更がなければ、金利が下がることで利息を抑えることができます。
そのためには現在利用しているカードローンよりも金利が低い借入先を探さなくてはいけません。基本的に消費者金融の金利は上限18%、銀行カードローンの場合は上限15%程度となっています。消費者金融のカードローンを利用している場合、銀行カードローンで借り換えをすることでより低金利での借り換えが可能です。
消費者金融を利用している場合はまず銀行カードローンでの借り換えを検討してみましょう。銀行カードローンを使っている場合、銀行でもローンによって金利が異なるため、現在よりも少しだけ低い金利のカードローンでも利息を抑えることができます。
ただし金利が低金利となれば審査が厳しくなりますし、借り換えとなるとすでに借入がある状態で審査を受けることになるため審査はより厳しくなります。
借り換えを受ける場合は審査が厳しいということも覚えておくようにしましょう。
カードローンの利息は完済までの返済回数によって変わることもあります。
1回ごとの返済金額を多くすることで返済回数を減らし、最終的な利息を減らすこともできるため、返済額はとても重要です。
例によって借入金額は10万円で金利は10%、返済金額は12000円として比較してみましょう。
10万円借りて毎月12000円で返済した場合、単純計算でいえば回で完済することができます。返済金額が10000万円の時に比べると1回ほど返済回数が減らせるだけで利息を安く抑えることができるため、実際に確認してみましょう。まず元金定額方式です。
借入残高 | 利息 | 返済額 |
---|---|---|
10万円 | 821円 | 12821円 |
88000円 | 723円 | 12723円 |
76000円 | 624円 | 12624円 |
64000円 | 526円 | 12526円 |
52000円 | 427円 | 12427円 |
40000円 | 328円 | 12328円 |
28000円 | 230円 | 12230円 |
16000円 | 131円 | 12131円 |
4000円 | 32円 | 4032円 |
利息の合計としては3842円です。返済方式が同じでも返済金額1万円の時は4515円だったので、約670円安く抑えられることになります。金利を8%の時は返済金額が1万円の時に3612円だった小野で、金利を下げた時よりは利息が高いです。
つまり返済金額を上げれば、借入残高と金利が同じ時に比べると利息は抑えられますが、金利が下がった時に比べると利息は高くなることになります。次に元利返済方式ではどうなるのか計算してみましょう。
借入残高 | 利息 | 返済額 |
---|---|---|
10万円 | 821円 | 12000円 |
88821円 | 730円 | 12000円 |
77551円 | 637円 | 12000円 |
66188円 | 544円 | 12000円 |
54732円 | 449円 | 12000円 |
43181円 | 354円 | 12000円 |
31535円 | 259円 | 12000円 |
19794円 | 162円 | 12000円 |
7956円 | 65円 | 8021円 |
返済金額12000円の時のそう利息は4021円です。返済金額が1万円の時はそう利息4784円だったので、760円程安くなります。金利8%の時の利息は3781円のため、金利が下がった時に比べると利息は減りません。
しかし金利が同じ時、返済金額が多い方が総利息を抑えることができるため、借り換えをして利息を減らしたい場合は返済金額を上げた方が理想を減らすことができます。
カードローンの借り換え後の返済金額が下がると、総利息が借り換え前よりも高くなってしまう可能性が高いです。
今回は返済金額を8000円として計算して比較してみます。
借入残高 | 利息 | 返済額 |
---|---|---|
10万円 | 821円 | 8821円 |
92000円 | 756円 | 8756円 |
84000円 | 690円 | 8690円 |
76000円 | 624円 | 8624円 |
68000円 | 558円 | 8558円 |
60000円 | 493円 | 8493円 |
52000円 | 427円 | 8427円 |
44000円 | 361円 | 8361円 |
36000円 | 295円 | 8295円 |
28000円 | 230円 | 8230円 |
20000円 | 164円 | 8164円 |
12000円 | 98円 | 8098円 |
4000円 | 32円 | 4032円 |
元金固定方式の場合、返済金額が8000円の時の総利息は5549です。返済金額が1万円の時に比べると利息が1000円以上も高くなる計算となります。
借入残高 | 利息 | 返済額 |
---|---|---|
10万円 | 821円 | 8000円 |
92821円 | 762円 | 8000円 |
85583円 | 703円 | 8000円 |
78286円 | 643円 | 8000円 |
70929円 | 582円 | 8000円 |
63511円 | 522円 | 8000円 |
56033円 | 460円 | 8000円 |
48493円 | 398円 | 8000円 |
40891円 | 336円 | 8000円 |
33227円 | 273円 | 8000円 |
25500円 | 209円 | 8000円 |
17709円 | 145円 | 8000円 |
9854円 | 80円 | 8000円 |
1934円 | 15円 | 1949円 |
元利定額方式では総利息5949円となり、返済額が1万円の時に比べると1175円高いことになります。元金定額方式と元利定額方式のどちらも返済金額が下がれば利息が高いことが分かるでしょう。
カードローンの金利が下がれば、利息も下がりますが必ずしも下がるわけではありません。
例えば金利が下がり、返済金額が下がった場合の利息は借り換え前よりも高くなってしまうこともあるため注意が必要です。
基準の10%のカードローンから10万円を借りて毎月1万円返済のローンから、8%の金利で毎月の返済額は8000円のカードローンに借り換えたとします。
計算してみると元金定額方式では4438円が総利息でした。10%の金利で10万円借り、毎月1万円ずつ返済していた時の総利息は4515円なので基準に比べると利息は下がっています。
しかし金利8%で借りて返済額が1万円の時(利息3612円)、金利10%でも返済額が12000円の時(利息3842円)に比べると返済額が増えてしまっています。
返済額がさらに下がると、借り換え前よりも利息が高くなってしまう可能性もあるため、金利が下がるカードローンでも返済額が下がる時には十分注意が必要です。
カードローンの借り換えをする場合は比較をしてから慎重に行うようにしましょう。利息を重視するのであれば、借り換え前よりも利息が高くなっていないのか計算してから借り換えをしてください。
利息は毎月の返済額が現在よりも増えた時、金利が現在よりも下がった時に抑えられる可能性が高いです。逆に返済額が減ってしまうと利息が高くなってしまうこともあるため注意してください。
また金利が下がり、返済額も下がったという場合も注意が必要で、借り換え前よりも利息が増えてしまうこともあります。その他に利息を抑える方法としては随時返済を利用することで、完済までの期間を短くすることができ利息を抑えられるため効果的です。
シミュレーションを使うことでカードローンの返済回数や利息、返済額を計算することができ、借り換え前の比較をする時に便利です。
簡単に計算することができるため、自分で計算が面倒な場合やできない場合はシミュレーションを使って計画を立ててみましょう。